はじめに
交通事故に遭ってしまった患者さんの症状で、最も多いのがむちうち症です。
後方からの追突事故をはじめ、横からの衝突による事故、自損事故などでもあたまは大きく振られ、首の筋肉が強い損傷を受けます。
むちうち症は日常生活で起こる寝違えや肩こりに比べると、非常に治りにくく、治癒するまでには大半の患者さんが最低でも3か月間はかかります。
その理由は交通事故特有のケガの仕方にあります。
追突事故の瞬間とは
むちうち症の多くは追突事故により、首が瞬間的に捻られることによって起こります。
その瞬間、首はどんな状態になっているのでしょうか?
赤信号で止まっている時に後ろから突っ込まれたらとします。その瞬間、運転席のシートや車は一瞬にして前方へ押し出されます。
首から下は前方に瞬間的に押し出され、首から上の頭はその場に残ります。
そのつなぎ目である首は一瞬にして前後に揺さぶられ、筋肉は引き伸ばされ、首の関節が捻挫を起こします。
まるで、首がムチのようにしなってしまうわけです。これが“むち打ち症”の名前の由来です。
背骨は首から尾てい骨まで積み木のように重なっていて、事故の瞬間にはだるま落としのように下の骨だけが飛ばされるような衝撃を受けます。
これがだるまであれば飛んでいきますが、首の骨は筋肉やじん帯でつながっていますので、そうはいきません。首のズレとともに筋肉やじん帯が引き伸ばされ、そして瞬間的に縮む力が働き、首の筋肉を強く痛めてしまいます。
これが追突事故の瞬間に首で起こっている捻挫で、長引く症状の原因になってしまいます。
寝違えよりも圧倒的に治りにくい理由
むち打ち症が寝違えよりも圧倒的に治りにくい理由
寝違えは、寝ている状態で何らかのストレスが長時間首に掛かり続けて、朝起きたら痛い、首が回らない。というものです。
不自然な姿勢で首をひねり、そのまま長時間寝てしまったことによるものです。
一方で、追突によるむちうちは、瞬間的に強大な力が加わっています。
むち打ちは寝違えとは比較のならないほどの強大なパワーが加わることで、痛みの根が深いということがお分かりになられたと思います。
異常がむちうちと寝違えの大きな違いです。
このように見てみると、交通事故での、瞬間的でかつ大きな力が、いかにパワーが大きいかが分かると思います。
むち打ち症治療の注意点
むち打ちの治療は、症状のステージに合わせて段階的に行わなければいけません。力まかせに無理に揉んだり、動かしたりしても良くなりませんので注意してください。
交通事故によるむちうち損傷の場合は、交通事故治療院である当院では“交通事故治療プログラム”に沿って患者さんの痛みやつらさの早期改善を図っています。
交通事故後の身体の不調でお悩みの方は、ぜひご連絡ください。